2015年2月9日月曜日

【あぐだより vol.16】兵庫県豊岡市に行ってまいりました。

【あぐだより vol.16】

■兵庫県豊岡市に行ってまいりました。

 昨年、沖永良部島で行われたシンポジウムのつながりで、120日~22日に「コウノトリの野生復帰」を主として「環境と経済の共鳴する町づくり」をすすめている兵庫県豊岡市に視察に伺う機会をいただきました。

 また、豊岡の中筋地区という地域で子供と大人が一緒になり「食」を通して地域の良さを見つめなおす企画「中筋 冬の旬を楽しむ会」に参加させていただき、そちらのプログラムの中で「沖永良部島について・沖永良部和泊町の集落とまちづくり協力隊の取り組みについて」発表させていただきました。

以下 豊岡市を訪問して感じたこと、学んだことを少し書かせていただきます。

 まず、豊岡市はコウノトリが農薬の使用や環境の破壊によって姿を消してしまった頃から、なぜコウノトリはいなくなってしまったのかについて本気で考えてきました。
それは、自分たちが利便性や生産性を追及した結果、環境を破壊してしまい生物の多様性がなくなったことでコウノトリがいなくなってしまった。また、その環境破壊は結果的には人間にも影響を及ぼしていくとの結論に至り、それから「コウノトリも住める豊かな自然環境や文化環境の創造は、人間にとってもすばらしいものに違いない」という信念のもと取り組みをすすめていかれました。
 実際に、コウノトリの郷公園で飼育されているコウノトリ、湿田に降り立つコウノトリを現地で見たときには感動しました。
(参考URL 豊岡市コウノトリの野生復帰http://www.city.toyooka.lg.jp/hp/genre/project/index.html

コウノトリの郷公園で飼育されているコウノトリ

豊岡市の先進的な取り組みは、「環境と経済の共鳴」を目指しているところにポイントがあります。

 コウノトリが帰ってくるためには、農薬の使用を減らし、かつての湿田や自然環境を取り戻していく必要があります。そこから無農薬もしくは減農薬で栽培するコウノトリ育むお米の栽培に取り組まれました。実際に、そのお米は地元農協の協力もあり、現在全国に普通のお米よりも1.5~1.7倍ほどの価格で販売されているとのことです。

 その実績が農家の方々の収益になりまた誇りとなっているのを目の当たりにしました。
農薬を使わない農法で栽培されたお米は安心安全でまた販売側、営業側(農協や行政)もきちんと付加価値をつけてそれを利益につなげている仕組みを作っていることがすばらしいと感じました。動植物や人間にとっても良い環境と経済的な利益どちらも両立して得られるという理想的なモデルといえると思います。
 こういった取り組みが「環境と経済の共鳴」のもとに様々な事業として挑戦されています。しかし、実際に農林課の方にお話をお伺いすると、やはりいいことばかりではなく、大変な道のりだったといいます。ここまで来るまでにはかなりの時間をかけ農家の方々との話し合いや実験を重ねてやっと実現していったとのことでした。実現していくには、いかに、行政と地元住民が時間をかけて話し合い、また同じビジョンを共有し前に進んでいけるかが重要だということを学ばせていただきました。

 次に、中筋地区は現在、市の「ライフスタイルデザインプロジェクト」のモデル地区として「食」を通して地域を見つめなおす企画を地元住民、行政職員、プロジェクトメンバーの方々が協力して行われています。今回は「冬の旬を楽しむ会」ということで地域の大人が中筋に伝わる3種類のお雑煮を作ってくださり、またコウノトリを育むお米で作られたかきもちを火鉢で焼いて食べながら、石田先生のお話を聞いたり交流するというイベントでした。
中筋の冬の旬を楽しむ会の様子

 中筋地区がこのような取り組みをはじめたきっかけには我々和泊町が抱えている課題にもある少子高齢化やコミュニティ内のコミュニケーションの希薄化がありましたが、それ以上に大人の心を動かしたのは中筋地区の子供たちの発表でした。

 中筋地区の小学校6年生が授業の一環で「中筋地区の課題と残していきたいもの」について調べそれを大人に向けて発表されたそうです。その「思い」は大人たちの心を動かし、「自分たちの地域は自分たちの手でよくして行こう!残していこう!」と現在「中筋の旬をあじわう会」を通して大人子どもが一緒になって活動するイベントなどになっています。
 実際に、代表の方にお話をお聞きすると「地域の中にもこういった取り組みに対して消極的、また批判的な人はまだまだいらっしゃる。しかし子どもたちの未来のために1歩ずつ頑張る。」とおっしゃっていたのが印象的でした。

 地域の未来の担い手になっていく子どもたちを巻き込みながら、大人も一緒に活動していくことの重要性を感じました。
中筋地区のイベントにて おもちつきの様子

 また、中筋地区では、沖永良部島がどの様な島なのか、また集落での取り組みについて発表させていただきました。子どもさんが多くいらっしゃると伺っていたので前半はクイズ形式で沖永良部島の魅力をお伝えし、大変盛り上がっていただけました。また、集落(皆川、谷山、和字)を中心に取り組みについて発表させていただいたところ「大変参考になった。中筋でも負けないように今後も取り組んでいきたい。色々と情報交換を今後もしていきたい。」など感想をいただきました。沖永良部島の魅力について、また集落の頑張っていらっしゃる取り組みについて豊岡のみなさんにもお伝えできてよかったです。

 3日目には、中筋地区の取り組みの経過報告やライフスタイルデザインプロジェクトについての説明、報告会が市役所にて行われました。豊岡市では、ライフスタイルデザインプロジェクトと地域の取り組みを結びつけていき、それをもとに人がつながり、人が元気になり、市が元気になっていくことを目指されていると知り、現在和泊町でもすすめている「あざ・まち元気活動」にも通じるものがあると感じました。
豊岡市のライフスタイルデザインプロジェクト 報告会の様子
 
 今回この様な機会をいただいたことで、また新たな出逢いがあり、たくさんのことを学ばせていただきました。これを今後の協力隊の活動にも大いに活かしていきたいと思っております。また今後も、沖永良部島と豊岡市が交流が続いていけば素晴らしいと思いました。


■和字のプロジェクト進行中! 川チームが現地調査を行いました。

最初に区長さんからルートの確認が行われました。


 2/1(日)に川のチームや有志の方15名ほどが集まり、川辺の調査を行いました。
ケイビング連盟の方、現在沖永良部島在住で月に1度、環境についてのお話や沖永良部島のこれからをみんなで考える「酔庵塾」(Facebook https://www.facebook.com/#!/pages/%E9%85%94%E5%BA%B5%E5%A1%BE/384229018423884?fref=ts)を主宰されている東北大学名誉教授の石田先生ご夫妻も来て下さいました。


様々な植物が生えているヒージョ(川)

※今回はすべて許可をとって入っております。許可なき立ち入りは禁止です。

洞窟のようになっているガラドー

 川を進んでいくと、「ここで昔よく水浴びしてたよ。」とか「よくウナギやタナガ(手長えび)がとれたんだよ。」などみなさん昔の記憶も蘇ったのか目をきらきらさせながら調査されていました。

 今回の調査で、参加したみなさんからは和字の川や周辺の環境は、改めて和字の誇るべきところであることをみんな感じたしこれを字民の多くの方と共有しなければならないと感じたとおしゃっていました。

 ただ、同時に今回の調査でゴミの問題や土砂が堆積している問題などが深刻なこともわかりました。

不法投棄などでゴミがたまっている

 調査後の話し合いで、農繁期が終わってから川の存在を多くの人に知ってもらうためにも、各他のグループにも協力を仰ぎ、ゴミの清掃&川の体験会をしようということになりました。

 この「川」を字でどうやって守っていくのか、子供たちに伝えていくのか
じっくり話し合っていくとのことです。

今後も和字のみなさんの活動が楽しみです!


まちづくり協力隊 吉成たえこ